けーはち

オリエント急行殺人事件のけーはちのレビュー・感想・評価

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)
3.8
アガサ・クリスティの名作推理小説を監督・主演ケネス・ブラナーでリメイク。雪崩で立ち往生した列車の中で起きる殺人事件。雪山の下でコートも着ないで肩で風を切って荒事でも意外と動けるアクションヒーロー(笑)なエルキュール・ポワロは少々やりすぎだが、20世紀始めの時代設定で、造り込まれた美術に対して現代的なVFXやカメラワークを駆使した映像、言わずもがなの名優たちの競演は、時代劇の名作(日本人にとっては年末年始になると映画・テレビドラマでたびたびリメイクされていた『忠臣蔵』みたいな)として安心感をもって観ることができた。搭乗者全員集合シーンはポワロの求める均衡を取り戻すごとく長机にキチッと整列させられ、まるで「最後の晩餐」を模したかのように美しい。