西木寸

誕生のゆくえの西木寸のレビュー・感想・評価

誕生のゆくえ(2016年製作の映画)
3.9
人生プランがずれたその時...
人と人の会話が、次の展開への不安を掻立てる、イラン映画のまたしても良作!

共働きの夫婦と10代前半の息子。
夫婦二人はやりたい事をやりながら、なんとか生活もままならせている中で、突然の妊娠。
当然のように中絶の選択をしている所からこの映画は始まります。
しかし、同じ価値観であったはずが、母と父、次第に二人の考えが食い違っていきます.,.

生活も決して楽ではないが、やりたい事はあるし、出来ている。
中絶を選択して自分の人生に生きるか、家族の為に自分の人生を犠牲にするか...
少子化の日本においても、決して他人事でない展開にグイグイと引き込まれて行きます。
最後に残る物に何を思うか...
グッと胸に沁みました。

際立ってるのが、一人息子の存在感。
彼とのやりとりから、夫は少なくとも良い夫、父親である事が引き立ちますし、
何より、憎たらしい可愛さに、この映画唯一の癒しが。

この後、どう続いていくんだろうか...
西木寸

西木寸