誕生のゆくえの作品情報・感想・評価

「誕生のゆくえ」に投稿された感想・評価

kazz

kazzの感想・評価

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イラン映画にもこういう平たい作品もある。如何せん直線的で直情的すぎる。
糸くず

糸くずの感想・評価

4.0
第29回東京国際映画祭にて。

舞台女優のパリと映画監督のファルハードは、夫婦で、一人息子がいる。パリは妊娠するが、経済的な事情を考慮し、二人は中絶を決意。しかし、処置がうまくいかずに苦悩するパリは中絶に疑問を抱き、産むことを決断する。

「中絶」という現代的な問題を背景に、女性の決断に動揺する男を通して、男性の身勝手さと暴力性を痛烈に批判した力作。

産むことを決意したパリに、ファルハードは怒りを隠さない。息子もいる。家も買う予定でいる。経済的に無理だ。社会の先行きは不透明で、これから生まれてくる子どもは不幸せかもしれない。それに、自分にもパリにも「仕事での成功」という目標がある。

ファルハードは、いろいろな理屈を並べ立てるが、一番大切なパリの気持ちを汲み取ることをしない。いくらパートナーとはいえ、産むのは女性であり、女性の考えが尊重されるべきであって、男性が何もかも決定していいはずがない。パリが疲れはて、家を出るのも納得である。

パリの実家を訪れる前の、ファルハードとパリの友達との電話での会話が印象的だ。友達は、パリがファルハードを避ける理由は「あなたが暴力的だから」という。ファルハードが実家に押しかけて話を聞いてもらうつもりだと話すと、「そういう態度が暴力的なのよ」と答える。

ファルハードは自分の切実が妻に理解されないことがわからない。しかし、問題は違うのである。パリは、それらを理解した上で、「産む」と決意したのである。

もう一つ、印象的なのが、一人息子の恋の行方だ。息子には、好きな女の子がいる。息子にアドバイスを求められたファルハードは、「気持ちを伝えるべきだ」と言う。息子は父の言う通り、気持ちを伝え、スカーフをプレゼントしたりする。女の子は満更でもない感じみたいで、スカーフもちゃんと受け取る。微笑ましい行動であるけども、パリは「プレゼントを受け取ったのは、あなたを傷つけないための彼女の優しさなのだ」と言う。

これは、パリの言う通りで、終盤、女の子は「韓流スターが好きで、将来は韓国に行くつもり」と言って、息子はフラれてしまう。息子も自分の気持ちを優先するばかりで、女の子の気持ちを見ていなかったのである。

畳みかけるような会話の応酬によって、男性の自己中心的な暴力性を浮き彫りにしていく脚本の秀逸さが光る。モーセン・アブドルワハヴ監督の今後に期待したい。
籠

籠の感想・評価

3.9
東京国際映画祭6本目

こういうイラン映画はアスガー・ファルハディで充分だと感じる平和な家庭を見た目築いている中流な皆様には分からないようだが検閲や中絶という国のタブーを絡めながら普通の人々をしっかり描いているから私はファルファディよりも好みだ。オープニングのカメラワークは息を飲むし車での各種会話のシーンが秀逸なので配給されることを願う。
Haco

Hacoの感想・評価

2.0
◯わたしの東京国際映画祭2016①
映画の選択肢が多い映画祭だからこそ、「何日の何時が空いてる!じゃあこの映画観てみよう!」っていう贅沢な鑑賞ができます。初イラン映画。

◎難しいテーマの映画だけど、
美しい女性の横顔の映像が印象的で。流れる涙にハッとさせられた…
「会話」もキーワード。
アメブロを更新しました。 『【TIFF 2016】「誕生のゆくえ」子供を産むか産まないか育てられるのか、誰にも分らない。』https://twitter.com/yukigame/status/793073738749059072
東京国際映画祭1本目はイラン映画。

2人目の子供を中絶するはずだった夫婦が、それをきっかけに歯車が噛み合わなくなっていく物語。

最近のイラン映画の特徴なのか会話がストーリーを牽引していく箇所が今作でも多々あり、特にクライマックスに感じた夫婦と義理の父での三つ巴のシーンの勢いには圧倒された。
イランでは最近車中での会話が増えているらしく、大事なことはだいたい車の中で話される点も印象的だった。

見る前に知っておきたいのは、イランでは法律上、宗教上ともに中絶が禁止されていること。それでも中絶をするのかしないのか、ティーネイジではなくすでに子を持つ夫婦という点が、より一層一筋縄でいかない要因だった。

卵と鳥は同じなのかという問いには思わずはっとしたが、社会を映し映画を製作してきた夫は、少なからず責任を自分に感じていることを監督の口から聞いたときは、それ以上にああなるほどなと裏付けされた説得力を感じた。

強引すぎるなと感じる夫にも子供と接する優しい父親としての側面が描かれていて、どちらがどうっていう価値観の押し付けがないし、あの一人息子の存在がシリアスで重いだけの映画になっていなかった。
JunIwaoka

JunIwaokaの感想・評価

3.0
2016.10.28 @ 第29回東京国際映画祭

ありふれた夫婦の会話の応報がやがてスリリングに展開する濃厚なドラマというと、ここ数年のイランを代表とする特徴的な映画。真綿で締めつけるような緊張感や国を越えて共感してしまうすれ違いの歯がゆさは、他国ではなかなか真似して描くことのできない。けれどそれは「別離」が与えた影響が大きすぎてなんだか見飽きてしまったというのが正直な感想。
忙しなく仕事(夢?)に打ち込む夫婦の望まなかった妊娠。宗教的にも法的にも中絶が禁止されている国でめぐる誕生のゆくえ。端的にいうとイランまで男の間抜けさを描いてまして、目覚めていく母性に決断出来ずにいる妻と「俺の人生は誰にも邪魔させない」というセリフに表されるように犠牲として捉える夫の違い。
すれ違う夫婦間がいかに悪化していっても、気ままな息子を構ってやったり、人生それだけじゃないところがリアリティがあって面白かった。特に息子たちが撮るPharrell WilliamsのHappyのPVがユニークで、制欲的ではない現在のイラン社会を象徴していて、そのギャップに揺れる世代なんだろうな。
Midori

Midoriの感想・評価

3.8
イラン映画は畳み掛ける掛け合いが多いし展開早いし、これも例外ではなく。

息子、傍若無人すぎて全編通じてそりゃお父さんこれがもう一人増えたら堪らないなとも思ったし、でもなにをどう言おうと命を産むことにおいては女性は強いな、と。
mmmm

mmmmの感想・評価

3.8
たった1人の胎児の命
たった1人であっても、まだ胎児であっても、いろんな事を考えちゃう。
第29回東京国際映画祭コンペティション作品

イラン、テヘランに住む映画監督の夫と舞台女優の妻が、お腹にいる赤ん坊を中絶しようとするけど、徐々にその子供に情が出てきた妻が中絶を拒絶し始めたことで、夫婦間に亀裂が出てくる。

宗教上、政治上、中絶を禁止にしているイランでも、問題になっているそうですが、この問題はどこの国でも共通することだと思います。

夫は自分が家族を養うのに、十分な収入がないから中絶を強く勧めたんだろうけど、その前にすでにいる子供を甘やかし過ぎなのが、とても気になったww
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