Hideko

パリ、ピガール広場のHidekoのレビュー・感想・評価

パリ、ピガール広場(2016年製作の映画)
3.0
原題: Les Derniers Parisiens

2020年 MyFFF “STAY HOME edition”にて鑑賞。

French Film Noir。メラニー・ロラン出演ということで興味を惹かれましたがチョイ役どまり。相変わらず美しかったですが…。

18区のピガール広場はパリの歌舞伎町と言われているそうですね。多くの移民が住みその多くがその日暮らしのようで、いわゆるパリの裏の顔。

そこで生きる男たちの物語。女性は何人か出てきますがストーリーに影響を与える程ではなく…。

ラストの弟ナスと兄アレスキの会話のシーンで救われたかな。ナスの顔つきが明らかに違う。一皮向けた表情で。暗い夜のシーンが多かったですが光の当たったナスの顔はパリで生きていく覚悟を決めた爽やかな顔でしたね。

パリを旅行しても多くの旅行者があまり行きたがらない地区かも知れないけれど、メトロや多くの観光名所でちょっと裏側に入ると多く見かける移民と思しき人たちやロマの集団はこういった地区やパリ郊外に住むのでしょうか。

原題は訳すると「最後のパリっ子たち」。兄アレスキはパリを離れますが、残るナスやその仲間たちは最後のパリっ子。移民であるか否かに関わらず。

パリと言えば華やかな作品も多い中このようなパリの実態を描いた本作、劇的なドラマは無いですが敢えて今回の”STAY HOME edition”に加えられたということで「パリで生きていく」こと、如何に長期であれ「パリ旅行」では垣間見れない事実を提起したかったMyFFF主催の方々の意図が読み取れる気がしました。
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