みい太郎

サーミの血のみい太郎のレビュー・感想・評価

サーミの血(2016年製作の映画)
3.6

こうゆう作品をみると
自分の知識や見識が…いかに
狭いかを思い知らされる。

ラップランドなんて私の中では
北欧のコトを指す言葉で
差別を受けてる人々の名称だなんて想像もしなかった。

北欧の綺麗な風景と色合い
サーミ人のカラフルな衣装
静かなリズムですが
心にも体にも乱暴なシーンも多数。

まるで同じ人間として扱わない。
言葉でも態度でも。
アジアの差別と何となく…
また種類が違う。

現代の主人公は本物のサーミ人の方が演じている。
少女時代の主人公もサーミ人の特徴の風貌だけれどサーミ人かは不明。

なんか真に迫る複雑な空気感が
流れる演技だった。

差別は人間の癖。
差別する側の声が大きいとそれは
固定の事実になってしまう。
違うって事を認められない人間。

水の中で身体を洗い流す彼女の
泣きそうな笑顔。
眼が覚めるような自然の中で
トナカイを当たり前の様に捕まえる彼女の真剣な瞳。
暮らしの中で繋がれていく文化。

それを否定される事。なんの権利があるんだろう…
人間以外の動物も差別するのかなあ…なんてトナカイを観ながら思った。

じんわり考えさせられた作品。
みい太郎

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