まつり

サーミの血のまつりのレビュー・感想・評価

サーミの血(2016年製作の映画)
4.0
属性によって選択肢の数が、質が変わってしまうのは、やはり差別なのだと思った。

写真を撮られるシーンが本当に不快で印象的で。わたしが学生時代無自覚に眺めてきた教科書の「歴史」や「写真」の中にも、このような、傲慢な視線が含まれていたのかもしれないと思うと心が重くなった。

〇〇だからこうで当たり前、なんてもの本来ないのよね。

マイノリティ性には隠せるものと隠せないものがあるけれど、彼女の場合は服を着替えたら(表面上は)隠すことが可能で。あのワンピースに袖を通した時。クリスティーヌと名乗った時。どんな気持ちだったのだろうか。何を感じただろうか。と、考えさせられた。
背伸びした気持ちと、開放感と、罪悪感。それを背負わないとならないことがもう、構造におけるマイノリティの立場なのだと思う。

勝手に限られた情報からあの人たちはこうなのだ、こうでいて幸せなのだ、と、決め付けていることは自分にもあるかもしれない。あからさまに石を投げつける、暴言を吐く以外にも差別はある。
まつり

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