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かぞくへのinudaoneのネタバレレビュー・内容・結末

かぞくへ(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

施設で育ったボクサーの話、というのはある程度の年代以上には既視感が否めない設定なのだけれども、あまりにも真っすぐで真摯な姿勢がいやが応にも突き刺さる作品でした。
不器用だけどとにかく誠実な主人公、でも誠実さだけでは乗り越えられない状況でなんかフィアンセとすれ違ってしまって、自分が初めて持つはずだった家族の夢が断たれてしまう。
孤独に追い込まれてしまいそうな話が進んでいくのだけれど、その要因ともなっている幼馴染との関係がなぜかつらい状況の中でも常に暖か味を纏わせている、家族がいないはずの主人公に見守っている家族の存在をずっと感じさせている、そんな作品でした。
フィアンセ役の遠藤さんの演技、女性があまり得意でない男が感じる、完全に正しくて、鋭く真っすぐ突っ込んでくる、男が付け入る隙を与えない女性を見事に演じておられました。
そして、春本監督の作品を世に出す覚悟と情熱と姿勢、その一生懸命さに本当に頭が下がります。
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