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ジュラシック・ワールド 炎の王国のinudaoneのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「何描いとるの。怪獣?」「怪獣やない、恐竜。」
幼少のころ親や先生などの大人と何度もしたやり取り。
かつて実在した古代生物を想うことは単なる空想や妄想ではなく、復元でありちょっとした科学だった。
その古代生物の在りし日の姿を、実際に撮影してきたかのような映像を創り出してきたこのシリーズには毎回感謝しかありません。
とはいえ、サービス精神旺盛な彼等は痛快な破壊者を極めるあまり、自分が“いやもうこれは怪獣やろ”と思ってしまう(多分多くの人にはすでに怪獣認定になっていそうだけど)ボーダーラインを越えてしまうのではとハラハラしつつも、映像のクオリティにどっぷりとつかって満足しているのでした。
科学の部分でも恐竜達に羽毛が見当たらなかったりする所はいささか時代遅れなのかもしれないけれど、そういった研究に金が集まり、成果が加速した原因はこのシリーズのおかげであると勝手に思っているので、直立イグアノドンの時代からの恐竜好きには全く問題なし。
そんな平常心を失ったワクワクしかない気持ちで鑑賞した今回の炎の王国、JP1で初めて恐竜を目の当たりにしたグラント博士と一緒に感涙にむせぶ恐竜ラバーが、再び同じシーンを回顧する幸せなフリの後、あまりにもつらいブラキオサウルスの最期を目撃させられてしまう、後の展開からこのシーンによって今までのような悠々と恐竜を眺めてる時代は終わったよと引導を渡されてしまう前半。
少々話がダルかろうと、マンネリだろうと動く恐竜さえ見られれば満足なのに、次々と新展開を作り上げてくる創作者の力に頭が下がります。
その後はそこに踏み込んでしまうか~、という穏やかでない展開からそのままもうマッドマックス的に世界が変わってしまうぞといった終わり方。
シリーズとしては初めて続編を作らないと収まりがつかない感じでした。
そしてワールドのシリーズになってから人間に馴れ合いになってしまいそうでならないブルーがとても良いです。
個人的に人間はペットを飼うべきではないという考えをしているので、ラストめっちゃ男前(メスだけど)に去っていく姿に心で拍手喝采してました。
まあ、見てしまえばなんだかんだいうのだけれど、2,3年置きに新作を作っていただけると恐竜好きは幸せです。
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