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THE BATMAN-ザ・バットマンーのAbeCinemaTVのレビュー・感想・評価

4.5
#TheBatman #ザバットマン
惚れました。人間だったら確実に恋に落ちる。てかもう落ちた。センスに人格できて映画撮ったん?闇の描き方が現代アート。ためがすごいので、長いのも納得。
映画館で見ないのはマジで損。今年ベスト候補。

比べてみるとノーラン版は個人的にはただ単に単調、かつバットマンとしては明るすぎたり綺麗すぎたりするきらいがあった。あと今思うと豪華キャストすぎた。
今回のバットマンは、とにかく暗い。闇の演出がかっこよすぎて惚れ惚れします。てか惚れた。人だったら確実に惚れてます。脇のキャストも豪華すぎず、目立ちすぎず、いい味出してるなーというキャストばかり。マイケルケインとモーガンフリーマンとゲイリーオールドマンは流石に使いすぎだった。今作はアンディサーキスとジェフリーライトできっちり締める。ムードづくりのキャスティングとして完璧。そして敵がほぼ仮装してないのにバットマンとして成立してる驚きもあった。

実はルックに反して軽い作品。過去作も関係なく、単体で見て全く問題なし。そういう作品昨今のハリウッド大作では珍しい。悪役やバットマンもなんかあんまり理由が明確にしないのがしめっぽくならなくていい。なぜ悪に堕ちたのかみたいな話はもうジョーカーでやりきったというところだろう。キャットウーマンの行動原理が明確でなかったり、都合が良かったりするという意見もあるらしいが、峰不二子みたいなもので、理由は求めなくて良いのではないだろうか。社会風刺とかもあんまりなくて、大衆原理の恐ろしさみたいな話もあまりない。スパイダーマンみたいにバットマンが大衆に非難される、SNSは恐ろしいね、みたいな描写もない。見てる側、我々大衆はだから安心してみられる。市長候補の女性は少しキャラが薄い部分はあるが、これはバートン版も同様なので、仕方ないだろう。変に味方するとゴードンと被り、敵になるとトランプみたいになるから空気にせざるを得ないキャラ。

ルックの統一感で言えば、ゴッドファーザー、ブレードランナー、マッドマックス怒りのデスロード、スカイフォールに匹敵する。ブレードランナーはストーリーが意外と弱いことや雨の描写も含めてかなり近い。もちろんセブンも。逆にマッドマックスとはスピード感とルックが真逆であるが、バットモービルはマッドマックスイズムを感じた。ラストは流石に展開入れすぎて、終わるかと思ったら終わらないの連続であったが、楽しめたので良い。女性が全体的に少ないのは気になった。主要キャラ以外に背景キャラにもっと女性が欲しい。絵の中にいる女性キャラが少ないことには違和感があった。あとエンドクレジットにあの人の名がある、いつ出たんだ!と思ったら、なるほど、と次回作を匂わせてたね。

とにかく大満足です。久々にハリウッド大作でここまでノレたかも。(007は別格)
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