よーすけカサブランカス

THE BATMAN-ザ・バットマンーのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

4.3
IMAXにて。まずはノーラン版だのザック版だの21世紀に入ってから数えてもすでに二つの前例があるなかでよく差異を打ち出して良質な大作を仕上げたと思う。
DCは暗い暗いと言われているのを逆手にとってさらに暗くなったブルース・ウェインはかなり魅力に溢れていた。仮面をつけ「影」「復讐」そのものになることで治安維持に務めるが表の人格に支障きたしまくりの感じ。ヒーローの二面性とか以前で痛ましい。
リドラーは市政の嘘を暴くのが動機だが、面白いのはその劇場型殺人を1人では完結できないと考えてることで、それはバットマンが謎を解き、自身の謎に近づいていくことでフィナーレへ導かれ、最後の弾丸は扇動した他人に任せられる。まあこの特殊能力のないヴィランが住人を利用するというフォーマットはノーラン版もそうだが。
でもジョーカーほどにカリスマ性はなくただのネジの外れた元会計士というこのキャラもかなり魅力的だった。素顔を晒してからのポール・ダノはとても活き活きしてて見ていて楽しかった。
カーチェイスが面白くなかったのと(できなきんなら無理してやらんでもという感じ)、キャットウーマンとのロマンスが若干無理やりだったのが不満だった(最後の墓地での並走はまあまあ)けど、とてもいい作品だと思った。