イデオン

THE BATMAN-ザ・バットマンーのイデオンのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ここにきて改めてバットマンという題材を取り上げただけあるというか、監督キャストスタッフ達のこれでもかという濃厚なバットマン愛、バットマンというヒーローの再解釈と再構築、そしてブルース・ウェインという男の鮮明化が図られていた傑作と呼べる一本。

PVから、今度のバットマンは「過剰な正義」という狂気に飲み込まれ闇堕ちしてしまうのでは?という雰囲気が漂っていた。
まさに作品前半はそういう空気の中でバットマンというヒーローそのものが問われ、またブルースの生い立ちから積み上げられた本質まで切り込まれていくシナリオは圧巻。

中盤ではバットマンにおける大前提、あるいは不文律であった「そもそもブルースが神格化している両親は本当に善人だったのか?」という部分にまで切り込み、バットマンとしての悪に対する「復讐」は正当だったのかすら曖昧になってしまった。
この描写には、バットマンって正義だよね?という視聴者側の視点すら糸を切られたタコのように翻弄されてしまった。

終盤にはリドリーの狂気の計画、バットマンが与えてしまった負の影響等がまざまざと見せつけられ、立ち直りかけたバットマンをさらに追い込んでいく。
しかしここで、「それでも」と立ち向かうバットマンのかっこいい事...本当にたまらない。

作品時間が約三時間とかなり長めだが、物語は濃密でテンポもよく、この作品一本で「バットマン」のヒーローとしての魅力、また「ブルース・ウェイン」の人間的魅力も余す事なく感じられると思う。
イデオン

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