電気羊

THE BATMAN-ザ・バットマンーの電気羊のレビュー・感想・評価

4.0
とにかく暗い。要はデヴィッド・フィンチャー監督の「セブン」のようなサイコサスペンス鬱映画。
よってSF的な演出は控え目で、バットマンも街を守るヒーローではなく、防弾防刃プロテクターに身にまとい夜な夜な徘徊しては犯罪者に対して暴力を加える凶暴な変人として描かれている。
キャット・ウマーンのマスクもただの目出し帽だし、ペンギンは普通のブートスーツ、リドラーにいたっては普段着であるのが返ってな生々しい。

謎のシリアルキラー「リドル」により市長、検事、警官が次々に殺される。
バットマンは唯一の理解者であるゴードン警部補と共に次の犯罪を阻止し、リドラーを捕まえるためにウェイン産業の最先端技術を用いて独自の捜査に乗り出す。

その過程で、行方不明になった友人探すことを目的に、ギャングのボスやその右腕のペンギンの金を金庫から盗み出そうとしていたキャット・ウーマンと出会い共闘することに。

そして暴かれていく元市長や、検事、警察の汚職。そしてリドラーの正体。リドラーは、かつてバットマンの父であるトーマス・ウェインが市長選に出馬時に、ゴッサムシティの再開発基金により老朽化した孤児院も新設され待遇も改善すると言う公約に希望を見出した孤児であった。
だが、トーマスが殺害されたことにより、莫大な再開発基金はギャングやギャングの言いなりの元市長や汚職公務員が懐に入れることに。
リドラーは成人し、街の腐敗に気が付き復讐を開始したのだ。

リドラーの最終標的は、選挙間近で殺されたウェインの息子であった。同じ孤児でありながら莫大な財産を相続し何不自由ないブルースに対して、リドラーはこの世の不条理を怒りを覚えたのである。

リドラーは、謎々でバットマンをおびき出し目の前で自分の最後の罠であるゴッサムシティの港の防波堤を爆破する。
洪水の波は、新しい市長選挙の演説広場で多数の市民でごった返しているゴッサム・スクエア・ガーデンへ流れ込む。
多くの犠牲者の出る中、リドラーとともに辛酸を舐めた孤児院一味が新しい市長候補を銃撃する。
バットマンは、キャットウーマン、ゴードン刑事部とともにリドラー一味を倒し、倒壊した建物の中で助けを求めている人々の救出に向かう。
テレビではその様子を「謎の覆面男の救助活動」として放映するのであった。

両親を殺されたバットマンの復讐、同じ境遇のキャットウーマンの復讐、未来への希望を絶たれたリドラーの復讐と復讐がテーマになっていたが、
まあ、そんなことに執着するよりも、美味いもの食ってエロい女抱いていた方が良い人生でしょう。
電気羊

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