電気羊

ヴォイジャーの電気羊のレビュー・感想・評価

ヴォイジャー(2021年製作の映画)
3.6
小学生くらいまでは社会性を学ぶために欲望のままに生きて、他人と衝突することで我慢や許しという人間の本質を学ばせないと、成長してとんでもない大人になるぞって話。

近未来の地球では環境悪化により、やがて人類が生存できなくなることが判明。世界の主導者や科学者たちは遥か彼方に地球と同じような環境の惑星を発見し、テラフォーミング計画を立案する。

宇宙船により100年以上かかる惑星へ飛び立つ。
宇宙船には、遺伝子操作により誕生し30人のデザイナーズ・ベイビーたちとともにリーダーとして科学者も同乗していた。

子供たちが10代後半になると、主人公は興味本位に自分たちの食料についてコンピューターで検索し、毎食後に飲んでいた青い液体の隠されていた正体について知ることになる。

それは性欲や衝動を抑える鎮静剤であったのだ。長い年月、宇宙船で過ごす人間にはそれがないと容易く争いが起きるために子供達には秘密で服用させていたのである。

そうと知った主人公と数人は、自我の芽生えと共に青い飲み物を拒否する。
今まで、おとなしく大人の命令に従っていた少年・少女たちは欲望が開放された結果、原始人のように欲望のままに行動する。最も凶暴化した少年はついには、事故を装ってリーダーを殺害する。
次に多数決でリーダーに選ばれた主人公に対しても、凶暴化した男は仲間を嘘で扇動し主人公の代わりに仲間たちを支配ようとする。

宇宙船の武器を手にし、民主主義をとなえる主人公一味を追い詰め皆殺しにしようとする。
主人公とヒロインはエアロックに隠れロックを開放し、銃で押し入ってきた凶暴化した男を宇宙船外に放出し、再び宇宙船への秩序を取り戻す。

かくして、少年・少女たちは薬に依らない理性を獲得し、自然分娩により子供たちをもうけ、その子供たちが無事に86億km離れたテラフォーミングする惑星へと辿り着くのであった。

他人を信用するには極めて高度な知性が必要。だいたいの人間は動物と同じなんだよな。
電気羊

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