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blank13のorimarksのレビュー・感想・評価

blank13(2017年製作の映画)
3.6
前情報まったくなしに鑑賞。
豪華なメンバーも全員"有名俳優·女優"ではなく、一人一人がただ演技好き·映画好きな演者であり作品の作り手なんだなと感じられたことが、なんだか嬉しかった。

ただただ家族を苦しめた最低な父親のイメージと空白の13年の意味が、彼の葬式と参列者の話を通して少しずつ変わっていくお話。

最低な父親にもこんな一面があってほしい、あるはずだとどこかで願っていただろうコウジの「よかった」。

隣の盛大な葬式と比べ、ぽつぽつと参列者が座る式場を見て「人間の価値が分かった気がする」と呟いた兄の言葉を真っ向から否定してくる、最低だったはずの父親の葬式。

笑っちゃいけないと分かっていながらニヤニヤが止まらなくなってしまうあの感覚だったり、「悲劇は喜劇」というあの概念を、映像作品として再現した静かな野心作。
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