「狂気を中和するデブ」
■「思いのほかストレート」
賞レースでも話題だった本作なだけに、
もう、20回転半捻りくらいやってくるのかと思ったら、
割とストレートだった。
いや、面白くて惹き込まれたんやけど、
もっとなんかあるかな?的な期待度に対する欲求不満は若干あり、
それでも最後まで面白く見れた。
感想って言っても、何言ってもネタバレになるんで、
黒人の兄ちゃんが白人の彼女の家に行ったら、
あれ?この家なんかおかしいぞ?って徐々に気付き始めるってだけで、
それ以上は言えない。
系統としては、それこそムカデ人間とかMr.タスクと然程変わらんねやけど、
ん~、題材かなぁ。
賞レースも含めて取り上げられたのと、実際の面白み。
監督が黒人のコメディアンって事で、
それを踏まえた風刺というか、
白人監督が作ったら、まぁなかなかのバッシングにもなりそうな映画かなぁ。
映画本体よりも、そのバックボーン含めた社会性が、
映画の全体評価を底上げした感じはある。
いや、面白いけどね。
とりわけ特別かって言えば、まぁ面白い映画だったってくらいかなぁ。
2回見るかつったら、見ない。
■「最大の異質さはデブ」
とは言え、この映画が単純に終わらなかった要素として、
主人公のクリスの親友のデブ。
アイツが、一人だけ面白い。
意味が分かんないんだよね。奴がこの映画に存在する。
けど、結果的には絶妙なバランスで必要要素だった気がする。
奴がいなくて終わってたら、
それこそ普通だったのかもしれん。
ただ、映画として必要かと言えば、
まぁ必要ではなかったのかもしれん。
その辺りが良く分からないんだが、デブが面白かったのは確か。
そこは不思議な感覚の映画だった。