Kana

光のKanaのレビュー・感想・評価

(2016年製作の映画)
2.0
人間の暴力性とはどこから来るのか、という話。

キューブリック的な不気味さがあったけど、もっとストーリー性はある。
ただオチは難しい。
クライマックスみたいなのが何度かあって、いつ終わるかわからないなと思って見ていたら、突然終わった。

人間に最初に生まれた感情は怒りだという。
この原初的な不快感を解決する手段として与えられたのが、暴力衝動なのかもしれない。
文明が発展し、人の心も成長して、暴力以外のあらゆる解決法が存在する現在でも、打つ手がなくなった時、結局は暴力を選んでしまうことがある。
ある者は惑わされ、ある者は追い詰められ、ある者は欲望のために、ある者は衝動を抑えられず…。
そしてそこには、わからないけど、恐らくある程度の快楽が生じるんだと思う。
だから、一度タガが外れると、戻れなくなる…。

暴力は、生物としての人間の本能的な欲望なのかもしれない。
多くの人間は、社会の中で理性を学んで育ててきたから、衝動を抑制できない原始的な獣の気持ちはわからないけど…
実際には理性なんて後天的なもの。
だから、社会の中で人間らしく生きてこれなかった者には、本能を抑制する理性が備わっていないのかも。
世の中不平等なんだから、そんなの自業自得と言えばそうだけど…
まともな親に愛情を持って育てられた人間だって、社会の中で多くのコンプレックスを抱えてストレスに押しつぶされそうになりながら生きてるのに、親ガチャに外れた人間は、辛すぎるよね。
だからって暴力が許されるわけはないんだけどね。
Kana

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