チャンミ

光のチャンミのレビュー・感想・評価

(2016年製作の映画)
2.6
「無機質な団地生活」「都市の緊密な人間関係のしがらみ」「満たされずにセックスにのめりこむ」みたいな記号が飛び交うけれど、描写になっておらず、何かがほのめかされるだけと感じた。
その背景にある人々の生命がつかめず、気取りばかりが先行する。
性暴力、虐待、貧困とその連鎖、が登場するのになんらかの装置として散りばめられているに過ぎず、それらを通してこの映画が作られなければいけないエネルギーも理由も見当たらない。
特に子どもを使っている以上、構造的な権力に配慮が必要とおもうから、ちょっとこれは。

そして、端的に言って、長い。
あーこうくるだろうなというシーン(実際想像どおりになる)をだらだら予兆と見せたいだろう時間を続けるのだけど、わかりやす過ぎてたるんでる。
終盤、おそらく終わりから10分くらい前に、長谷川京子がメロドラマ演技を見せつけてくれるあたりでむしろ笑えてきたのだけど、そのとおり、徹底的にメロドラマに仕立ててくれたほうが痛快だったんじゃないかしらね、ってかんじ、もったいぶらずに。
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