荒野の狼

仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴースト with レジェンドライダーの荒野の狼のレビュー・感想・評価

4.0
本作公開時は、テレビシリーズとしては「仮面ライダーエグゼイド」が進行中で、「仮面ライダーゴースト」が終了後である。したがって、両者のレギュラーが出演し、活躍も同程度。ただし、シリーズが終了しているゴーストのほうが、登場人物とくに主役の天空寺タケル / 仮面ライダーゴースト である 西銘駿が人間的に成長した形となっており、キャラクターの魅力と深みはあり、ヒーローらしい熱い演技。ストーリーとしては、無理なく二人のライダーを登場させ、敵役の佐野史郎とその配下の三人とパックマン、レジェンドライダーのサポートと無難な仕上がりであるが、ドラマの展開も読めてしまい、「命を救う」というメッセージはあるが、ライダー映画の過去の名作に較べると平凡な作品。
敵役の佐野史郎は怪演ができる俳優だけに抑えた演技に終始しているのは惜しい。3人の配下では蹴りが主体の鈴之助、太極拳の山本千尋の出番が多く、アクションは悪くないが、迫力に欠ける。配下のトップの棚橋弘至は、身長は高くないがプロレスラーらしい着衣の上からでもわかる肉体の迫力があり、強さに説得力がある。竹内涼真との闘いでは棚橋のプロレス技スリング・ブレイドの変形フォームで竹内を突き飛ばし、腕を極める竹内をそのまま持ち上げて投げ飛ばす(ここがCGのようになってしまったのが惜しい。できれば竹内をバスターで叩きつけるような怪力ぶりを発揮してほしかったところ)などは、変身前のライダーが生身の人間として闘うシーンとしては、歴代でも上位にランクされる出来になった。格闘ファンとしては、棚橋には上半身裸になって、もっと暴れて欲しかったという思いはあるが、まずは十分な活躍。
ライダーは鎧武役の佐野岳は声のみの出演だが、仮面ライダードライブこと竹内の出演シーンは多くファンには嬉しい。仮面ライダーウィザード こと 白石隼也の出演は比較的短く、もう少し、登場シーンに工夫が欲しかったところ。
ライダーと怪人の戦闘シーンでは歴代のライダーが進化型の最終ホームに再変身していくなど、テレビシリーズの内容を踏襲したサービス。また、レジェンドライダーの過去の設定をおろそかにしておらず(たとえば竹内は変身できない設定で、鎧武は神のような存在になっている)、こうした点もシリーズへのリスペクトがみられており好感が持てる。
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