Inagaquilala

氷菓のInagaquilalaのレビュー・感想・評価

氷菓(2017年製作の映画)
3.7
この作品で注目したのは、広瀬アリスが果たして高校生役を無事にやりおおせるかという点だった。広瀬アリスは22歳、12月生まれだからまもなく23歳になる。かたや妹の広瀬すずは19歳、先日、観たばかりの「先生!、、、好きになってもいいですか?」でも立派に高校生役を演じていたし、このところの活躍で言えば、妹のほうに軍配があがる。身長も広瀬アリスのほうが6cmほど高い165cm、可愛らしい女子高生役を演じる159cmの妹より、やや分が悪いかもしれない。しかし、それらのデータはすべて杞憂に終わった。この作品のなかで広瀬アリスはとにかくポジティヴで好奇心旺盛な女子高生役を見事に演じていた。

物語は、山崎賢人扮する「やらなくてもいいことはやらない」という省エネが信条の高校生・折木奉太郎と広瀬アリス扮する千反田えるが高校の部活動の古典部で出会うところから始まる。いまや部員がゼロとなった古典部を救うため、OGである姉の命令で折木奉太郎は古典部に入部するが、そこにいたのがこの土地きっての名家の娘である千反田える。行動には及び腰ながらも、彼女の前で抜群の推理力を見せた奉太郎は、えるから親族にまつわるある謎の解明を依頼されることに。

原作は米澤穂信の学園ミステリーで、シリーズもすでに6巻を数えているが、今回はその第1巻にあたるエピソードの映像化。広瀬アリスと山崎賢人のまわりにも芸達者なキャストが配され、きちんとした青春ものにもなっている。女性監督の安里麻里がメガホンを取っていて、前半の小ネタの謎解きの場面では、ややモタモタした感があったが、メインの謎解きに移ると、場面はスムーズに流れていった。とはいえ、何といっても、物事に対して消極的な役柄を演じる山崎賢人といつも瞳を輝かせながら積極的な女子高生を演じる広瀬アリスのコンビが、抜群のコンビネーションを見せており、年齢的にいつまでできるかわからないが、このコンビで映像もシリーズ化してほしい作品だ。
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