青二歳

ホテルEの青二歳のレビュー・感想・評価

ホテルE(1992年製作の映画)
4.0
エストニアからプリート・パルンの政治風刺アニメーション。切り絵や油絵など様々使われるが、エッチング風の重厚な絵柄が東側を、色彩豊かな絵柄が西側世界を描いているらしい。
東側から西側を壁の穴から覗き見るシーン、裸婦像をテーブルの下に押し込めて隠すシーンなど、東側の情報統制や言論弾圧を思わせる場面が興味深い。
シンボリックな表象だらけなのだけど、中でも西側自由主義陣営の表象でアメリカのカートゥーンが使われているのが面白い。また性の解放についての描写は露骨すぎて笑ってしまう。
東側の体制批判であることは間違いないのだけど、かといっと西側を讃えるわけでもない点も意地が悪いところ。制作年は1992年。ソ連崩壊直前の91年に独立をした翌年なので、その意味でも興味深い。
Oh, shit!
青二歳

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