”俺、宇宙人なんだ”
かなりマニアックなSF映画だった。
キャストがやたら豪華。やっぱり松田龍平の存在感って異質だなあ。
設定は面白かった。
人間の見た目をした「侵略者」こと「宇宙人」が人類から「概念」を奪っていく話。宇宙人ぽい姿形より「中身だけ宇宙人」の方が怖い。
「概念」に注目するって難しい。そもそも「概念」の概念がふわふわしてるし。ただ、「仕事」の概念が消えると幼児退行するとか、「所有」の概念がなくなれば究極の平和主義になるとかっていう発想は面白いと思った。
言葉は「もの」を定義してくれるけど、人間は定義された概念で縛られすぎているかもしれない。
映画「クリーピー」でもそうだけど、黒沢清監督の作り出す不穏感はすごいと思う。音楽?映像?なんでだろう。
ただこの映画も展開がカオスだった。
音楽のコメディ感とか、CGの雑さ、突然始まる「爆撃機vs人間」シーンの「昔のSF感」。いろんな要素が入ってるから、映画好きな人にはクスッと笑えるんだろうけど、ちょっとついていけなかったな。
ただ、これだけこねくり回しといて「愛は地球を救う」的なオチは拍子抜けだった。難しい映画。
「美しい星」を思い出した。
B級のこだわりすぎた邦画、けっこう苦手。