映画プリキュアドリームスターズ！の若のネタバレレビュー・内容・結末

オールスター映画が直近3作のみ出演というシステムになった一作目。これ以前の映画は見ていないが、新しい試みだったと思われる。映像も手が込んでおり、2Dのデジタルアニメ、3DCGの２つの映像があり、サクラとキュアホイップに関しては劇場に現れている演出として、サクラのいた世界とはまた違うデザインで3D化されていた。私は自宅で観賞したためあまり臨場感を得られなかったが、映画館では全く別の体験が得られたと思われる。
声優は木村佳乃さんや、山里亮太さんなどが起用された。山里さんは他にも数多くの作品にも参加しているが、ラスボスのイメージはなく、むしろかませキャラのイメージが強かったため、今作の鴉天狗もあまり強さを感じられなかった。最後の戦闘シーンもギャグ要素を含んでおり、強敵という感じはしなかった。本作はサクラとシズクの物語を軸に描いており、敵の強さや絶望感に重きを置いていなかったのだろう。木村佳乃さん演じるシズクは、落ち着いた声で冷静なキャラクターだったが、緊迫感のあるシーンでの叫び声には若干の違和感はあった。
前述の通り、本作は映像に力を入れており、ストーリーにはあまり強いこだわりはないように思えた。序盤では、各々用事があり別れたはずのアラモードのメンバーが一緒にいたり、敵が大して強くない為プリキュアが大勢いる必要性を感じなかったりと、気になる部分はいくつかあった。大狗戦に至っては、なぜかキュアフローラが完全にお荷物として描かれており、アニメシリーズでの戦い方は分からないが、ファンはいい思いはしないだろう。個人的には、SDキャラはあまり好みではない為、決め技が巨大なSDキャラだったのも、後味が良くなかった原因のひとつだろう。それでも、「いちかの望んでいた全員でのお花見が達成されたこと」、「回想でシズクがサクラを助けたのと逆の構図でサクラが助ける」といった丁寧な部分も見られた。また、細かい好きなシーンとしては、いちかがモフルンを助ける為に高所から飛び降りる動きや、キラパティでカレーを出すのが不本意なのか複雑な顔をしているキュアショコラ、ホッチキスのゼツボーグの攻撃を受けた際に「髪の毛挟まっている」というリアルなセリフが挟まれていたことなどが挙げられる。
3世代作品のシステムとなって1作目であったが、最新作のミラクルリープは面白かったので、次のスーパースターズは期待して観たい。