このレビューはネタバレを含みます
舞台挨拶付き試写会組です。舞台挨拶で西村プロデューサーが関係者試写を試写0号と呼ぶとおっしゃっていましたがそういうわけで、我々が試写第1号ということらしいです。
お茶を濁すようですが、目新しさを感じないありがちな魔女もの、ジブリ泣き、ジブリ風クリーチャー、ジブリ飯、猫の相棒など、お決まりには若干うんざりでしたが新しい要素として今までのジブリにはあまりなかった主人公の背中を全力で押してくれる身内の存在など少年ものっぽい燃えるような熱い展開が結構あり、そこは「おっ」と胸を踊らされました。
アリエッティ、マーニーからすると脚本は思いのほかしっかりしている印象でクライマックスまではよくぞここまで順調にうまく盛り上げてきたなと思いましたが最後の最後、クライマックスが超あっさりしていて全部台無しでした。詰めが甘いと言わざるを得ません。
人間界と魔法界でどっちを重点的に描くかのバランスもどっちつかずな感があり、これはあえて残しているようでしたがメアリの両親の謎も引っ掛かります。もう少しメアリの立ち位置をはっきりさせた方がよかったのではと思います。もっとも、居場所がない少女という設定の側面も強いので最初から立ち位置がはっきりしているのもおかしいですが、ただ、着地点は居場所を見つけるところであるべきだと思いました。なんにしても主人公の身の回りと他の登場人物との関係性はもう少し掘り下げて語ってくれないと感情移入できず素直に感動できません。
アニメーションに関しては当然世界レベルのクオリティでアクションを見てるだけで楽しめるので作画的見所を堪能する分には十二分に価値があります。
辛口な評価になってしまいしたがアリエッティ、マーニーと比べると個人的には2倍以上は面白く、クオリティアップされていると感じました。今後の米林監督には期待です。
