kassy

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのkassyのレビュー・感想・評価

3.8
飛行機で一足先に鑑賞。

インタビュー形式を織り交ぜつつ、シニカルにクールにポップに、テンポ良くアメリカフィギュアスケート界の稀代のスキャンダルの顛末を描いている。ヘビメタ、ポップス、ロックなど様々なアメリカンミュージックが流れるのが楽しい。

実際の事件を詳細に覚えているわけではないが、当時かなり大騒ぎになっていた事は、幼き日の自分の脳裏にもうっすら残っているほどだ。

改めて見るとトーニャは、スケートの才能はやはりあって、それは20年以上経った今でも、女子フィギュアでトリプルアクセルを成功させた選手の少なさに現れている。
そんな彼女が、ただ純粋にスケートを出来たら一体どんな選手になっていただろう…
恵まれない家庭環境、審査員に好まれない境遇、騒ぎ立てるマスコミ、それにも負けずにただひたすらスケートを追求してあそこまで上り詰めたのは、彼女にはスケートしかなかったからなんだよなぁ。
でも周りの奴らのせいで…本当に恵まれなかったのは残念だ。それは彼女のせいじゃないのかもれないし、彼女のせいなのかもしれない。

彼女の母がやはり彼女にかなりのウェイトで影響を与えていて、
アカデミー賞助演女優賞を取ったアリソン・ジャネイはこの血も涙もないものすごいとんでもない性格のスパルタ母を演じきっている。
やってる事と言ってる事は、ダンガルの親父と結構同じなんだけどね。こうも違うかね、とある意味面白いです。
出てくる度にマイナスな事しかしてないけど、彼女も不器用だったんだろうなぁ…

giftedで可愛い姿を見せてくれたマッケンナグレイスがトーニャの幼少期を演じているが、ものすごく短かった笑

トーニャ、一瞬愛されて憎まれたアメリカのスター。エピソードがいちいちトンがってて面白いので、映画も飽きずに面白く見れました。
最後のトーニャの独白に沢山の皮肉が詰まっていて、良いです。映画自体が客観的で良い。

それにしても採点競技のフィギュアはかなり当時から改善はされてるけど、今でも謎の加点問題とかあるもんなぁ。難しい話だ。
kassy

kassy