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マイ・ビューティフル・デイズのkassyのレビュー・感想・評価

3.6
試写会にて。

ティモシー・シャラメ演じるビリーは無口で友達が少ない高校生。ひょんな事から同級生2人と気になっている英語の先生、スティーブンス先生と一緒に演劇大会に行くことに…

ティモシーくんが日本でも大人気という事で、2015年に製作された過去作が日本でも上映。シークレット・チルドレン、ホットサマーナイツと過去作が立て続けに公開されているが、個人的には本作が一番良かった。

何が良いって、この映画の真の主役のスティーブンス先生である。
ファーストカットは彼女の泣き顔から始まるが、まずそこでぐっと惹きつけられる。
先生として生徒たちに接していく中で、等身大の20代の不器用な女性として描く脚本が好きだ。

そしてそんな先生にほのかな想いを寄せるティモシーくん。先生を見つめる目がとにかく真っ直ぐ。そこにイヤらしさはあまりなくて、とにかくピュアなのが良い。
嫉妬したり、反発したり。甘酸っぱい幼稚さの中に、本当の先生の心の弱さを見抜いてそっと寄り添う優しさ。

生徒が先生に憧れるというあるあるネタではあるものの、直接的なものではなくもっと心の奥底を解くような優しいお話だった。

たった3日間の演劇大会。そのあいだに少しずつ親交を深めていく様や、良い味出してる同級生2人のやりとり。ビリーの1人芝居など見どころもあり、シンプルでミニマルでありながら子供たちの成長を感じさせてくれる。

更に極め付けに良いのが、この映画のキーソングでもある、アメリカの「Sister Golden Hair」。歌詞が胸に染みて、この映画がより一層甘酸っぱいものへと昇華するエンドロールだった。

甘酸っぱい映画が好きな方にオススメです。
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