ノットステア

あなた、そこにいてくれますかのノットステアのレビュー・感想・評価

3.6
○観たきっかけ
観るつもりはなかったし、そもそも知らなかった作品。
アマプラ無料配信終了の情報を、フォローしてる方のレビューから知ることがある。それで観た。


○アマプラ紹介文
医療ボランティアでカンボジアを訪れた医師のハン・スヒョンは、赤ん坊の手術をしたお礼に過去に戻ることができる10粒の薬を受け取る。彼の願い…それは、30年前に亡くなった当時の恋人ヨナに、もう一度だけ会いたいということだった。半信半疑で薬を飲むと、1985年にタイムスリップし、そこで過去の自分と出会う。ヨナの身に起きた事実を知った若い自分は彼女を助けたいと願うが、彼女との未来を選んでしまうと、彼女の死から10年後に生まれた娘の存在を消してしまうことになる。2015年と1985年、時を超えて出会った2人のスヒョンが選んだ答えとは


○感想
特に感動はしなかったけど、話の展開が面白かったし、うまいなと思った。
医療ものの映像作品は、手術シーンがやっぱりどうしても苦手ですわ。。。これは医療ものではないけれど、そういうシーンがある。。。
過去に戻れる薬を10粒手に入れるという紹介がよくされているみたいだけど、多分11粒だと思う。だって一粒は薬品分析室に渡してるから。スヒョンが9回時間旅行して、テホが1回。分析されたのが1粒。


以下、ネタバレあり。











「目に見えるものより見えないものの方が信じられる」
→見えないものとは?

「もう一度だけ会いたい人はいますが」
「あまり時間がありませんね」
→余命が少ないことが分かった?

「人生とは眠れない時に生まれるものなのです」
→眠れない時は、ヨナの手術をする時と、テホが過去に行くとき?

ヨナの水族館での事故死を防ぐために呼び出すところは、設定がうまいなぁと思った。ヨナには黙っていた父親のこと、子どもが欲しいというヨナに対して、自信がないということ。
でも、ヨナのことが嫌いなんだってのはヨナからしても明らかに嘘ってわかるじゃん、別れるわけなさそうってなんか一瞬冷めた。だけど、ヨナがもう一度チャンスを、とスヒョンを呼び出さたのを観て、納得。うまい。。。

スヒョンはヨナが死ぬってことを知って、助手席にいるヨナを観ながら運転する。スヒョン二人がヨナの死について話すときもトラックに轢かれそうになる。トラック、それは止まれるだろ、、、
雨の中、別れを告げたヨナに会いに行く。止まる気のない車たち。スヒョンはもう車に轢かれそうなのに轢かれない。危ない道だってことは明らかなのにフラフラ歩くスヒョン。ヨナも風に煽られているのか、フラフラしている。
もう、交通事故起こるよ、それは。。。

手術直前に目が覚めたときはヒヤヒヤした。間に合うのか、間に合わないのか。

スアとスヒョンの最後の会話が良かった。色んな人に響くと思う。
「もしすごく会いたい人がいるのに会えない時はどうしたらいい?」
「幸せだった時を思い出せ。その人と一番幸せだった瞬間。思い出だけで生きられる」
作品で言えば、
①もうすぐ亡くなるパパと会えなくて寂しいときはどうすればいい?って意味にもなるし、
②夜中に会えなくて寂しかったとき、スヒョンはどう耐えていたの?って意味のもなるし、
観ている人からすれば
③大切なびとが亡くなって会えない人にも、④仕事などでシバラク会えない人がいる人にも、切実な問題として響いてくる。

友達のテホを大事にしろよ、と思ったがそうだ、条件2があったわ、と観賞後について振り返って気づいた。観ている途中では、もうそろそろ終わりかな?それにしても作品の中でのテホの扱いが雑だなぁと。もう少し活躍するシーンがあっても良かったんじゃない?と思ったところでテホが活躍し始めた。。。

『あなた、そこにいてくれますか』って題名、まぁ、どんな作品のタイトルにもなりえそうだけど。
手術をする時、肝心なときに戻ってきてくれますか?
スアの母親とちゃんと会えるところにいてくれますか?
ラスト、ヨナとスヒョンは会えるところに来てくれますか?
過去を変えてもスアの存在はありますか?


○あらすじと印象的なセリフ
カンボジアのボランティア。ヘリコプターで国へ帰ろうとする。スヒョンの前に老人が抱えた口唇裂の赤ちゃん。このヘリコプターを逃すと洪水で半月は足止めされてしまう。
「ありがとうございました」
「どうも。視力のある人以上に見えるんですね」
「目に見えるものより見えないものの方が信じられますから」
「ルナンはお孫さん?」
「孤児です。口唇裂の子は育てない風習があって」
「あなたは命の恩人ですね」
「ルナンに新しい人生をくださって感謝しています。」
「仕事をしたまでです」
「もしや絶対に叶えたい願い事はありますか?」
「絶対に叶えたい願い事?」
「もう一度だけ会いたい人はいますが」
「あまり時間がありませんね」
数粒の薬が入った瓶を渡す。
「人生とは眠れない時に生まれるものなのです」

1985
スヒョンとヨナのデート

二人のスヒョンの一度目の対面。

2015
余命6ヶ月の肺がんだと分かる。肝臓にも転移。
薬を薬品分析室に分析してもらう。
薬のことをテホに話すが、信じてもらえない。
「医者ならむやみに飲むなよ」
「生々しかった」
「幻覚剤だろう」
「また戻れたら…会えるかな、ヨナに」
「本気なのか?もう忘れろよ。30年も前のことだ。考えてもみろ。会いたいと思って現れたらそれは奇跡ってもんだ」

自宅にて。「あと9個。どうせ死ぬ体だ。」

二人のスヒョン、二度目の対面。自宅にて。未来の自分だという証拠を話す。ヨナに会いたいと伝える。

2015
薬の成分はただの植物の混合物。

1985
若いスヒョンは入れ墨で自分かどうかを証明する。

2015
娘のスアとドライブ。
余命が少ないことがおそらくスアは知る。

三度目の対面。水族館で。ヨナを見る。ヨナが死ぬことが分かる。

2015
過去の自分からメッセージ。過去のスヒョンはテホに頼んで母のアルバムに手紙を入れた。
テホは彼女とお楽しみ中だったのに、スヒョンのために動く。そんなに急がなくても大字だったのに。

四度目の対面。ヨナを死なせない代わりに条件。
条件1 ヨナから離れること
条件2 誰にも言わないこと(親友のテホにも。テホの人生が変わるかも)

五度目。ヨナが死ぬ日
調教師のヨナは水族館のイルカを救おうとして死んだ。
死ぬ日、2015のスヒョンの指示で、ヨナを自分の勤める病院に呼び出す。=事故回避そこで別れを告げる。同日、自分と母に暴力を振るってきた父親が死ぬ。

父親の葬儀にて、六度目。
「大丈夫かって?ヨナは人生の全てだった」
「俺が一番分かってる」
「ヨナをうしなったのは俺(1985)だ」
「ヨナなしで生きて30年。命は助けたじゃないか。生きてる」
「出てけ。俺の前から消えろ」
供え物を荒らすスヒョンをテホが止める。テホにあたる。「俺よ人生からうせろ」「お前もヨナも必要ない、うせやがれ、クソ野郎。出てけ」

2015
薬を引き出しに仕舞い、鍵を締め、鍵を外に投げ捨てる。
今でも親友だったテホと飲もうとしたら、キレられる。30年前に俺とヨナにしたことをわすれたのか?

1985
スヒョンはミライノ自分との約束を破ってヨナに会おうとする。そのせいで2015年では、ちょっとまえにキレたテホが仲良さそうに電話してくるし、スアの存在が消える。

1985
スヒョンの目の前でヨナが交通事故

2015
ネットでヨナの死を知り、ヨナの死亡診断書を調べる。"死亡時刻4時40分"現在0時45分

1985
七度目。未来のスヒョンが手術
「失敗したら自分を許せなくなる」
「俺みたいに後悔するな。怖いから何もしないのか?ヨナはまだ生きてる」
「医長は血腫の手術やわ避けるはず」
「俺が執刀する。手伝え」
麻酔医を確保したところで目覚めてしまう。「早く起きすぎた」
八度目。睡眠導入剤を使用。
咳き込みながら手術。

2015
3日後、目覚める。"脳内血腫の除去手術後容体好転"
ヨナの元へ。ヨナとすれ違うも、声はかけない。ヨナは足を引きずっている。

1985
九度目。
「うまくいくさ」
「ヨナもテホも失ってうまくいく?ハッピーエンドにしたい?」
「大事なのはストーリーだ。残りの人生、しっかりな」
「簡単じゃない」
「俺たちが会うのもこれが最後だ」
握手
「会いたくなるだろう、スヒョン」
「若者、あとは任せた」

1994.5.2 スアの母に会う。
条件3 9年後学会で会う一人の女性と一緒に過ごす。(娘スアの母)

スアとの年月

2015
肺がんを知る。「ヨクモ黙ってたな。クソジジイ」

スアとスヒョン、湖の畔で
「スア、不器用なパパで悪かった」
「何を言うの?ワタシこそ頑固だった」
「いや、スアがパパの娘で幸せだった」
「私も。パパが私のパパで幸せだったよ。パパ。もしすごく会いたい人がいるのに会えない時はどうしたらいい?」
「幸せだった時を思い出せ。その人と一番幸せだった瞬間。思い出だけで生きられる」
「パパ、泣いてるの?」
「いや、泣いてない」
そっとスアの頭を抱きしめる

スヒョンの死。

墓にテホ。スアから手帳を受け取る。時間旅行のことを知る。
"生きても死んでもお前の友達 スヒョン"
ヨナにも話す。
「9回行ったよな。7回、8回…海が9回目。一つ残ってる」
スヒョンの家で薬を見つけ、飲む。
「信じられないが、事実だ」
「連れてくる、スヒョンを」
寝れない。寝るために階段から転がり落ちる。

1985
スヒョンに会う。
30年も一人で悩み、会わないことを伝える。肺がんのことを伝え忘れる。
「悪かった、あの時は…」
「死ぬ前に話すくせに。」
「死ぬって?」
戻る時間がくる。
「30年後にまた会おうな。過去の30年は水に流して30年後にまた一杯やろう。」
「30年は長すぎる」
「30年なんてあっという間だ。すまない、愛してる」
「ありがとう、テホ」

2015
ヨナとスヒョン再会。