回想シーンでご飯3杯いける

カーゴの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

カーゴ(2017年製作の映画)
3.0
2013年に無料公開され、泣けるゾンビ映画と話題になったショートムービーが、Netflixオリジナル作品として長編化された。

都会ではなく、広大な荒野が舞台になっているのは原作と同じで、今回は予算が豊潤だったのだろうか、その荒涼とした世界観(どこかインターステラーっぽい)を美しい映像で描いている。

ビル等の遮蔽物が存在しない世界なので、物陰からゾンビが突然現れるようなスリル感は切り捨てられているのだが、それが作者の求めるテイストなのだろう。この長編版でも、父と子、更に短編では登場しなかった人間の時の母親や、現地住民(?)との交流を軸にした、ヒューマンドラマとしての側面を強調した作りになっている。

ただ、ゾンビと言ってしまって良いのか分からないが、人間がゾンビ化する条件や感染ルートぐらいはもう少し明確にすべきではなかっただろうか? 短編では気にならなかったものの、今回は長尺化された事でモヤモヤ感が強まった。ルールが明確になっていないじゃんけんを延々とやっているような感覚で、どうすればアウトで、どうすればセーフになるのか、いまいち分からない(感染者とのキスシーンに違和感)。故に、父親が選択する行動から感動が生まれない。

短編と同じ監督が作ったとは思えない。本当にやりたっかたのはこれなのだろうか? 少しもったいない感じがした。