このレビューはネタバレを含みます
結局最後まで誰が犯人で何が真実なのか何も分からないまま終わってしまうのだけど、最後までずーーーっと画面に釘付け状態だった。面白かった。そして、観終わった後の余韻とモヤモヤ感が半端ない!!
きっとこの作品を観た者同士、
「アレってどういう意味?」
「アレってこういう事だよね?」
とか、
「結局誰が犯人だと思う?」
みたいな会話でめっちゃ盛り上がると思う。って言うかめっちゃ話したくなる。
謎が謎のまま。
その答えはこの作品を観た方自身でいろいろ想像してみて下さい!…と是枝監督からの問いかけのようにも思えるが、いずれにしてもこれだけ見応えを感じたのはやっぱり役所広司が演じた容疑者:三隅という人物の存在が非常に大きい。そして、その三隅の弁護人:重盛を演じた福山雅治。この2人の名演技があったからこそだと思う。
さらにこの2人に加えて、作中誰も真実を語ろうとしない中、自分自身の辛い真実を自ら法廷で言おうとした被害者の娘:咲江を演じた広瀬すずの存在もこの作品に程よく絡まって深みを出していたと思う。
(ちはやふるみたいな元気ハツラツな広瀬すずも好きですが、本作みたいな地味な役柄も演じれる彼女は改めて凄い女優さんだと思ってしまった…)
法廷モノではあるけれど、その法廷中のやり取りよりもその裏側での裁判官・検察官・弁護士の間での“台本合わせ”的なやり取りの方がある意味リアルな感じで面白かった。
映画のタイトルは「三度目の殺人」だけど、実際映画の中で殺人事件は二件しか起きず、じゃあ、このタイトルにある三度目とは?
テレビドラマ「ガリレオ」で福山雅治が演じた湯川教授風に言うと、まさに…
「この作品、実に奥が深い!」
と言ったところでしょうか?
(三度目とはアノ事ですよね?…たぶん)