れんれん

すべての政府は嘘をつくのれんれんのレビュー・感想・評価

すべての政府は嘘をつく(2016年製作の映画)
2.5
アメリカのテレビドキュメンタリ型のつくりで、証言の羅列の感が強い。映画としては、というマイナス。

訴えている内容は極めて大事だった。日本における「ジャーナリズム」は、新聞、テレビ、出版を含め、これまでの大きな組織の力でやってきたことは、すべて突発的な取材活動のなせる業であり、哲学を持った「ジャーナリズム」とひとくくりになんて、とてもできない幻想だったと考えているので、この映画が提案している、次のあり方への模索は興味深いし、ミニマムな組織の方が基本を外さないのも本当だと、強く感じた。

上映後のトークイベントで、「嘘をつくのは人間だったらみんな同じだから、権力者が嘘を吐いたとして、嘘を吐いたことを突いて問題視するのはどうなのか?」という主旨の質問があがっていて驚く。権力による嘘で戦争が起き、大量の死人が出た、という内容の映画だったが……。子どものしつけのために吐く嘘と同列に考える人もいるのだなぁ。

まあ、それくらい他者への共感の薄まった時代であり、メディアが嫌いな人が増えた証左なのだと納得して帰宅。
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