「マーゴット・ロビーが言っても説得力ないけどね」
この台詞にやられました。
フェミニズム、ミソジニー、マンスプレイニング、ルッキズムと、世間に出た順序は逆ですが、ドラマ「不適切にもほどがある」的に、現代になってようやく議論され始めた諸問題を、時に真摯に、時に皮肉に大袈裟に、バービー人形の擬人化であるマーゴット・ロビーがいじり倒す映画です。
冒頭にあげた台詞は、女性に美やかっこよさを求めるようになった諸悪の根元として、現代の少女がバービー(バービー人形の存在)をディスり、バービー自身が自分を美しくないと自嘲したあとに付け足したものです。
劇中と現実をあえて結んで、さらっと流す方法論というか、「この映画をマーゴット・ロビーを使って撮っている時点で、ルッキズムとかからの解放と言われたとて……」という批判を織り込んで笑いに昇華するテクニックとでも言えばいいのか、それにやられました。実に軽やかでした。
「ゴッドファーザー」を熱く語るのはマンスプレイニングだそうで、このシリーズも、「仁義なき戦い」も、何十回も観て愛している私は、ことさら気を付けたいと思います(嘘
あと、この映画と脚本にOKを出したマテル社はとても懐が深いと思いました。
