これは当たりでした。
過去、ボクサーとして世界制覇できなかった老人が、若く粗削りで粗野なボクサーの闘いたいという純粋さにほだされて、最初は渋々トレーナーになり、いつの間にか二人で世界を目指すという熱いおはなし。
これだけ聞くと、ボクシングものの定番のように思えてしまうが、その定番をきちんとドラマとして成立させているからウルッとさせられ、ファイトシーンで手に汗を握ってしまう。
若きボクサー役の横浜流星の演技に説得力があるから、作品が成り立っていた。佐藤浩市を脇役にしてしまう凄みがあった。
この映画のサクラをやりませんかと、呼び掛けのチラシがポスティングされていたが、東京ドームに行けばよかった。
瀬々監督、ピンク四天王と呼ばれた時代から、あまりにも年月がたったなあ。こういう作品を安定して撮れるのは、円熟の極みだと思う。