CHEBUNBUN

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

4.8
【おばけのきもち】
ヒトというのは奇妙な生き物だ。いぬのきもち、ねこのきもちと他の生き物とのコミュニケーションをガイドしたくなる。

さて、ここに「おばけのきもち」がある。

映画仲間が此奴凄えぞと貸してくれた。「ムーンライト」「スイス・アーミーマン」「American Honey」と美しき珍味を生み出すA24が、おばけの生態を解説。

事故で、天に召された男は白いシーツのおばけとして転生する。彼は妻に想いを伝えたく自宅に帰る。しかし、声は出せない、ふつーのヒトには見えない。見守るしか出来ない。過食症になる妻にいたたまれなくなる。そして、立ち去る妻、家に取り残されるそのおばけは哀しみに暮れまくる。

これぞ、生き地獄。死のうにも「おばけ」故に死ねないおばけの辛すぎる生き様を観ると、ジェイソン、フレディに憐れみを抱くだろう。

全くセリフはないに、立っているだけで感情の森羅万象を開くケイシー・アフレック、ルーニー・マーラに胸を締め付けられた。

おばけのきもち、美しく哀しすぎる世界にじっと座って観てられない作品でした。

ちなみに、本作は某映画が好きな人にオススメしたいのだが、タイトルを出した時点でネタバレになる。困ったもんだ。
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