愛する妻を遺して先立ってしまった夫
強い未練と妻への想いを断ち切れず幽霊となって彷徨い続ける…
映画が始まる前は「ゴーストニューヨークの恋人」みたいな映画なのかと思ってましたが、とても実存的で誰の事にも当てはまる私的な奥深い作品でした。
台詞を極限まで排し映像で物語を紡ぐ事に注力している。
幽霊となったケイシーアフレックはシーツを被り無言でただ妻のルーニーマーラーを見つめる。
長回しを効果的に使ったハッとするシーンや数々のアイデアが細かく繊細に織り込まれていてシンプルながらもすごいことをさらっとしている映画。
また、スクリーンサイズも窓から切り抜かれたような四角い形になっていて、この物語を覗いているような気持ちになった。
人は死んだらどうなるのかそんな漠然した答えのない問題に、暖かく優しい答えをくれる作品です。
余談ですが、プライベートであった事と重なり上映後爆発するような孤独感に襲われ半泣きで家路を辿りました。
だが同時に前に進む勇気も貰えた気もします。
