家から落下死した夫を発見したのは視覚障害の息子と犬。
当時家にいた妻は夫がいつ死んだのか知らなかった。
事故死として疑われるが妻が殺人容疑をかけられ裁判が始まる。
本当の真相とはなんなのかをめぐる法廷劇と人間ドラマ。
初めは犯人探しのミステリーかと思っていましたが、人の心の暗部を探り出すサスペンスでありつつ会話劇が主軸に置かれた話になっていました。
数々の証言や他人からの見方によって真相は姿が変わっていくのが怖かった。
事故死より殺人事件の方が注目度があると劇中でも語られていたように、現実でもニュースに取り上げられるのは殺人事件の方が多いです。
僕も実際にあった殺人事件を調べたりしています。
決してエンタメとして消費してはいけないと心に決めています。
劇中では事件を消費する民衆や妻を夫殺しの犯人としてみている様子がまざまざと描かれタイトル通りあらゆることの真相が解剖されていきます。
その構図に対する断罪のようにも感じました。
そして物語は家族の問題へと回帰して一つの答えに辿り着く。
素晴らしい脚本力でした！
わんちゃんの演技がすごいです！
