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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのnkkobaのレビュー・感想・評価

3.7
人はみないつか死ぬ、だから死んだときのために自分が生きた証を後世に残したい。だが彼らも自分と同様にいつか死ぬし、人類だってそのうち滅亡するかもしれない。
ではなぜ私達は生きるのだろうか?
こうした問に幽霊という舞台装置を使って、死後という生きている時間絡みて未来側から遡行的に一つの答を提示しようとしたのがこの映画だと思う。

特徴
画角がユニークで、アスペクト比が4:3かつ画面のエッジが丸くなっていてレトロな雰囲気が出ている。
構図と色彩感に非常に監督のこだわりが感じられる。シンメトリックな構図、彩度少し落としめのフィルムカメラの質感。
セリフが非常に少なく、画で魅せる映画である。(長回しでウトウトしてしまったけど


非常に幻想的な話なのだが、死んだあとも妻のことを思い孤独に過ごす主人公の幽霊が切なすぎる。
彼女との思い出が詰まった家から出ることもできず、新たな人生を選んだ妻を追うこともできず、新しく入居してきた家族には半ば八つ当たりをする。

象徴的な長回しのシーンが数回あるが、そこがこの映画の見せ場なのだろう。


非常にアートで見応えのある映画だった。
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