フェミ研ゼミ

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのフェミ研ゼミのレビュー・感想・評価

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最近死ぬのが怖い。
死ぬことというより、色んなものを残していくことが怖いし、もっと言うと残されることが怖い。

家族から今から帰るよ。と連絡が来ても、交通事故に遭わないか毎日死ぬほど不安になる。
安全運転で帰ってきてね。としか言えない。朝起きて部屋に猫の姿が見えないと何処かにいると分かっていても全員の姿を見つけるまで不安だし。
怖いのだ。
自分はというと、私が死んだあとに誰かを傷つける恐れのあるものを最近すべて処分した。日記とか手帳、思い出の写真とかコレクション類をすべて。

残るものは、私の思想とは関係のない衣服や生活用品だけで。
これはだれも傷つけないだろう。
そんな風にいつか死ぬときの準備を早くもしている。
なんでだろうと考えると、
大切なものが本当に大切過ぎて
それが死によって消えることも、私が死によってそのもの達の前から消えることも恐ろしいのだろうね。

この映画をみてそんな最近の死に関する色々で心がざわざわした。
頭の中がうるさかった。
映画の中はセリフなんてほとんどなくて静かだったのに。


あの歌良かった。
あれ聴いてた泣けてきてしまった。
第九と宇宙の歴史を語るビール男の話聞いてたらなんでわたしはこんなに生きること死ぬことに不安を感じているんだろう。
安心のような不安のようなどうでもいいような。
それでも気になるのは柱の隙間に隠された紙切れのことだけで。
愛なんてただの執着だなあ。
でもそれの存在がゴーストの存在そのもので。


難しい映画だった。
でも好きだった。
思い出のような映画。
フェミ研ゼミ

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