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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのらのレビュー・感想・評価

3.9
音と画の吸引力、細かい演出の妙に惹かれる。シーツかぶったゴーストがなぜこんなに絵になるんだろう。あと、ひたすら地味な映画という印象はない。映像的にも音楽的にも演出面は楽しませてくれる。エモーショナルな瞬間も多い。静がしっかり静であるだけでなく、動も派手に動なのだ。

「ゴーストから見た世界」は文字通りの新たな視点であり、作品自体も新たな視点を与えてくれる。ある個人にとっての「空間」や「時間」(歴史)だけでなく、もっと大きな単位の「歴史」(自分以外の誰かの思いや営みの集積)に想いを巡らせる描写、構成にもグッとくる。

土地や場所の記憶に関する物語には特別な思い入れがあるので、本作も例に漏れず大好き。過去に執着ばかりしていてはいけないということ、身につまされる。
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