ブラウンソースハンバーグ師匠

ワイルドライフのブラウンソースハンバーグ師匠のレビュー・感想・評価

ワイルドライフ(2018年製作の映画)
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チャチャチャを息子に踊らせようとする母の姿は、個人的な体験と結びつくところがあり、いくらキャリーマリガンと言えど、こしょばい気持ちになった。

他人の家族写真を見たとき、勝手な自分の想像で、その家族の幸せを想う。幸せを想うのは写真が笑っているからだ。写真の前後にどんな不和があろうと、家族たちは笑っている。その瞬間だけが暴力的に切り取られる。
かえって写真を撮ることで繋ぎ止められる関係もある。その瞬間が嘘ではないことを信じて、無理くり引き出した自発性で親子をカメラの前に座らせ、その間に位置した息子自らが撮影する。息子のささやかな希望的観測。
他人の家族写真が出来るまでを、現実とリンクさせた私は、ちょっと泣きそうになり、すぐにタバコを吸いに行きました。

息子役の俳優のルックが監督と同じ系統なのは、私小説的な投影を狙ったのだろうか。それにしたって似てる。