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ワイルドライフのtottsunのレビュー・感想・評価

ワイルドライフ(2018年製作の映画)
3.8
「ワイルドライフ」🎬27
試写会に当選したので観てきました!
1960年代。ジェリー(ジェイク・ギレンホール)一家は、カナダとの国境近くにあるモンタナ州の田舎町へとやってくる。14歳の息子ジョー(エド・オクセンボールド)は、ジェリーがゴルフ場で働き、主婦の母ジャネット(キャリー・マリガン)が家事をこなす姿を見て、新たな生活が軌道に乗り始めたことを実感する。ところが、ジェリーが仕事をクビになって家族を養うために山火事を食い止める仕事に就き、ジャネットとジョーも働くが、生活は安定しなかった。
「リトルミスサンシャイン」を初めて観たときにお兄ちゃん役のポールダノの演技がとても素敵で気になって…そこから意識してなるべくポールダノ作品を観てきた私としてはポールダノ初監督作品を見れて嬉しかった!
本当に彼らしい繊細な作品だった。
彼が今まで演技で体現してきた繊細さが今度は画面から感じられた。
風景や人物のアップ全てが彼を投影する何かのように見えた。
あんまり俳優とかよりも監督は疎いけどそんな私でも分かるくらいの彼らしさだった。
でも今回驚きだったのは主人公のジョーを演じてたエド・オクセンボールドが第2のポールダノを見ているかのような演技だった。
ジョーの瞳綺麗だったな。
山火事の炎を見てる時、母の行動、父を見送る時全ての彼の瞳に吸い込まれた。
彼もまた繊細な演技をして私は惹きつけられた。まゆを傾げるだけの演技がいくつかあったけどそれでも何かを物語ってるのが伝わってきてこの子の演技もっと観たいなって思った。
「オンリーザブレイブ」にて山火事の恐ろしさは学んでいたからジェイクが無謀すぎてジャネットが怒り狂うのも良くわかったし彼女がジョーに炎を見せに行ったのが印象的だった。
最初は2人の表情しか写してなくて炎は私たちには見えてないんだけど音だけで想像させられてこのシーンの切り取り方が印象的だった。
ジョーはおとなしくとてもいい子だったけどいい子すぎて…
彼はその美しい瞳で全てを目をそらさず見てきたんだね。
最初は全てが幸せに見えたのに家族って本当に些細なことで崩壊するんだな。
人間って本当に脆い。
ジョーが働き出す写真館の雰囲気がすごく良くて好きだった。
オーナーさんの言う通り良い瞬間を写すためにみんな写真館で撮るんだよ。
子ども写真館で働いてたことある自分もその気持ちは分かった気がする。写真っていいね。
とても最後のシーンが印象的。みんなの表情が素晴らしかった。
私的には☆☆☆.8かな。
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