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ワイルドライフのcoroのレビュー・感想・評価

ワイルドライフ(2018年製作の映画)
3.5
1960年。モンタナ州の田舎町。新天地での生活が軌道に乗り始めた矢先、大規模な山火事が起こり父は職場を解雇されてしまう。これをきっかけに家族の歯車は徐々に狂い始めていく。炎が山を自由に駆け巡るように、それまで萎縮していた自我は解放され、止めどなく溢れ出していく。








以下ネタバレになるかも

消えていく父。堕ちていく母。幸せだったはずの家族が崩壊していく様を、微妙なバランスを保ちながら繊細な表情で見つめる(14歳の視線を宿した)カメラから、少年の心の機微が手に取るように伝わってくる。

こんなにも見通しの悪い暗鬱とした物語なのに、家族の再生を仄めかすかのように傍にいて、どんな時にも静穏さを乱すことのないモンタナの風景が美しい。
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