プペ

グッド・ネイバーのプペのレビュー・感想・評価

グッド・ネイバー(2016年製作の映画)
2.7
ジェームズ・カーン映画として、青春映画として、撮る者と撮られる者の映画として面白く、ときに不愉快に観れてしまう本作『グッドネイバー』。
シャマラン監督の『ヴィジット』や、近年話題になった『ドント・ブリーズ』と近い系譜の「老人がひと癖ある」サスペンスの一作となっている。
特に一人暮らしの寂しい老人ということで、『ドント・ブリーズ』の設定を想起しがちだし、そちらとの流れで紹介するレンタル屋もそう多くない。

しかし、侮るなかれ。
これが意外にもなかなか考えさせられる″社会派″的な要素もあるサスペンスだった。

目立った特殊効果などは抑えられており、掛かっている製作費はかなり低いと思うが、脚本と演出が巧みなので予算の少なさを感じさせない完成度となっている。
オチでわかる真相など、意外な後味で、ラストの″ある人物″がうっすら浮かべる笑みがビターな余韻を残す。
真相を知ってから見直すといろいろ改めて気づく部分も多く、「観賞二回目に違った印象になる映画」の好例だろう。

そんな本作、″20年に一本の恐怖映画″などと称される『ドント・ブリーズ』と比較し、そちらと同じような恐怖を求めて観賞すると肩すかしになって不満足感を得る方も出てくると思うが、私は今作は″なかなか″の作品だと思っている。


本当に″ヤバい″のは誰だったのか?

己の行動を見直すきっかけを作ってくれた『グッドネイバー』には頭を向けて寝られそうにない。
今夜は足を向けて寝よう…。
そう心に決めた深夜0時過ぎ。
プペ

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