よる

女は冷たい嘘をつくのよるのレビュー・感想・評価

女は冷たい嘘をつく(2016年製作の映画)
5.0
Prime Videoで偶然見つけたけど、本当に出会えてよかった。
ただベビーシッターが娘を連れ去ったってストーリーじゃなく、2人の消息を追ううちに、ジソン自身がかつておかした無意識の過ちが報いとなって自身に振り返ってくる。
ストレッチャーの上で放置されてなく赤ん坊、ハンメが刺繍する花模様の布地。何気ないカットが後の伏線になっていて、後々になって交差していくのも興味深い。

ジソンがヨンの手を掴んで、でも最終的にヨンは振り払って沈んでいくの、悲しいけど救われない。ジソンがヨンに裕福の特権としてベッドから追い出したことを「許して」と言ってくれたのはよかった。
ジソンがまともに相手してなくても最後に娘が傍にきてくれたのは、娘が母親を嗅ぎ分けたのではなく、ハンメがそのように育ててくれてたからだと、子どものことが分かればこそ察せられると思う。
ジェインを恋しく思いながらも、最後に「ダウンのことを死なせたくないはず」の言葉に思い留まったように、日々ダウンを本当の娘のように愛しながらどこかでジソンの娘でもあることの葛藤と良心が感じられる。
船上で、ママ…と呟くダウムを見るハンメ。一瞬、ジェインの顔になってるのも、なにもかも胸が締め付けられる。


原題は「ミッシング 消えた女」って読むんだと思うけど、なんで邦題が「女は冷たい嘘をつく」になってんのか謎。冷たい嘘をつく…なんか違わない?
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