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羅生門のnekosukiのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.0
"三船敏郎”主演、"黒澤明”監督作品。WOWOWで放送されたモノを録画観賞した。
"芥川龍之介”の「羅生門」も「藪の中」も既に読んでいてあらすじは知っていたのでタイトルが「羅生門」なのは正直違和感があった。

しかし、不思議な殺人事件の語り部として旅の僧侶と薪売りを登場させる為のシチュエーションとして「羅生門」が必要であったと思われる。
又、2人は裁きの庭での証言者としても必要不可欠だった。

盗賊の多襄丸(三船敏郎)は旅の武士(森雅之)とその妻(京マチ子)と藪の中で出会う。武士を縄で縛り妻を手込めにするのだが…
武士が殺されて検非違使の庭で裁きを受ける2人はそれぞれが食い違う証言をするのだった。

物語はそれで終わらない。
死者の言葉を語る霊媒の女が現れて信じられない事実を語り始める。
二転三転するストーリー。
真実はどこにあるのか?
人間の多面性や残酷さを描いた傑作。

真相が分からないときに使われる"藪の中”の語源になったことでも有名だ。
映画化したことで"芥川龍之介”の名を海外に知らしめた黒澤監督の功績は大きい。
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