Kuuta

羅生門のKuutaのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.1
毛抜くやつじゃなくて「藪の中」風の法廷劇。話の転がし方からして引き込まれる。

モラルハザードという舞台設定を立派な羅生門セットで整え、人間の醜さを藪の中エピソードで描き、ラストは羅生門に話を戻してオチを付ける。悪の象徴の下人、善の象徴の僧侶がいて、2人に挟まれた一般人代表の志村喬が朽ちた門の下で頭を抱えるという構図。志村喬を単なる傍観者で終わらせないのがスマート。

最後の殺陣の命を奪い合うドタバタ感は前半の殺陣の華麗さと対比が効いている。陰と陽を行ったり来たりする人間と深い森に注がれる日光。まさかボレロが流れてくるとは。芸術性とエンタメ性の両立。82点。
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