TAK44マグナム

インターセプターのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

インターセプター(1992年製作の映画)
3.0
ステルスvsステルス!

最新鋭ステルス戦闘爆撃機F-117Aを巡る、パイロットとテロリストグループの攻防戦を描いた、ダイ・ハードスタイルのアクション映画。
やはりダイ・ハードスタイルの映画であった「トイ・ソルジャー」ではテロリストのボス役であったアンドリュー・ディボフが本作ではヒーロー役です。


極秘輸送中のステルス戦闘機を売り飛ばそうと武器商人が盗みにくるんですね。
飛行中の輸送機に、空中給油用のパイプを通って強引に押し入ってきます。
「エグゼブティブ・デシジョン」か!

しかし、そこには想定外の男が居合わせまして。
テスト飛行でポカやったパイロットがアメリカに帰るために便乗していたのです。

当然、主人公と武器商人のバトルが勃発!
輸送機の中なので発砲するのはご法度だと命令されているのに、バカな部下がバリバリ撃つものだから機体に穴が空いたりしちゃいます。
1人、また1人と悪党を成敗してゆく主人公。

何だよ、もう大失敗だよ!と涙目な武器商人はステルスを無理やり空中で発進させ(というか、格納扉を開けて自由落下させる)、なんとか主翼を開いて逃亡をはかります。
もう一機残ったステルスで追う主人公。
ここでダイ・ハードスタイルからファイヤーフォックススタイルに移行!
壮絶な?空中戦!
でも、主人公機には武器が未搭載だったのです(汗)
勝利を確信する武器商人でしたが、実は凄腕のパイロットである主人公の武器ナッシング反撃が始まるのでした!


うーむ、色々とショッパイのは低予算だからなのでしょうかね。
CG関係が時代を感じさせます。
本作に登場するステルス機はただのF-117Aではなくて、実験中のVRシステムを持つという設定なのですが、ゴーグルをつけると肉眼ではなく、コンピューターが教えてくれる様々な情報や指示をVRに表示させ、それを元に飛行や戦闘を行います。
このVRグラフィックからして初代プレイステーションや3DOより劣るショボさ(苦笑)
まぁ、仕方ないかな。
VRってだけでも当時は超未来の感覚だったでしょうから。
でも、側から見ると物凄く使いにくそうなシステムですよ。
絶対、肉眼の方が良さげ。
しかも、ストーリー上、まったく使い物にならない欠陥品だったりするので、VRシステム搭載の近未来戦闘機が活躍する映画にはなっていません。
そのあたりを期待すると肩透かしを食らうことになります。
と言うか、なったよ!(苦笑)

こんなんでも93年には日本でも劇場公開され、「探知不可能」という格好良いキャッチコピーがつけられました。
しかし(たしかにステルスなのでレーダーに映りにくい機体ですが)、そもそも本作では探知されそうになる場面が存在しないので、こんなキャッチコピーつけられても意味不明に近いですね。

アイデアは悪くないですけれど、肝心のアクションに目新しさは無いし、緩い。
キャラクターも深掘りされないのでドラマが生まれません。
唯一、武器商人は狡猾でインテリっぽく、非情さが良かったです。
悪役は最低でもこのぐらいのワルでないと。
情報を引き出すために、拉致した軍人に毒ヘビを使った拷問をする場面が一番面白かったかもしれません。

あと、輸送機の女性機長役であるエリザベス・モアヘッドが、勇敢で部下思いな軍属の女性を魅力的に演じていて萌えました。


よっぽどのダイ・ハードっぽいアクション映画好き、ステルス戦闘機好きぐらいにしかオススメ出来ない、内容が薄い凡作。
脚本家コンビが後に大作を任される方々なので、シナリオ自体はソコソコ盛り上がる。
それだけに、もう少し演出にキレがあれば化けたかもしれず、残念でした。


セルDVDにて