ミーハー

彼女がその名を知らない鳥たちのミーハーのレビュー・感想・評価

4.0
今まで知らなかった愛のかたち。そもそも、これまで十和子がおもっていた愛は果たして愛だったのか?(相手側からは確実に愛ではなかった)十和子がラストに気付くその後がとてつもなく知りたい。

主演が蒼井優と阿倍サダヲだからこそみられた作品だと思う。他の人だと絶対気持ち悪すぎるか、意味がわからないか、AVになっちゃうか、とにかくおかしなことになってたはず。ファンタジーのような虚構な空間で、でもなんだかリアルな部分も突きつけてくる感じ。

前半はすごい嫌な女がダメ男にのめり込んだり、好いてくれる男をケチョンケチョンに言い負かしたりでどうなるんだこれと思ったけど、ミステリーとして動き出してからはすごい速さで進んでいった感覚。
竹野内豊演じる黒崎、いそうだわーこんな明らかにヤバそうなのになんともいえぬ魅力も持ち合わせてるやつ。普通は引っかからないんだけど…引っかかっちゃった十和子の気持ちも分かる。
松坂桃李の水嶋も、リアル!胡散臭いやん!って思うけど十和子には見抜けなかったか…
阿倍サダヲ、竹野内豊、松坂桃李とエッチしてるシーン盛りだくさんで、それらが全部女子からすると経験ありそうな…ない?ダメ男に引っかかってた過去を思い出して悲しくなってしまった。

お姉さんがあんな汚いしょーもない男なのに陣二のことすごい良く言うのに違和感あったんだけど、そうか。出会った頃は下品さは多少あれど、まともな人だったんだ。十和子に尽くすうちに、十和子をなりふり構わず幸せにしようとしすぎて、どす黒くなってったのか…深いなぁこの映画。

黒崎が十和子を蹴りつけて顔くしゃくしゃにして言い放つシーンだけ、感情が分からなかった。好きなとこもあったからツライの?暴力で疲れてしんどいだけの顔?竹野内さんの良心が演技を邪魔した?どれだろう…孤狼の血でさらにすごい竹野内ヤクザ観れるからいいけども。(なにがいいのか謎)

この監督の作品はいつも後を引く。世界観に巻き込まれる。映像的なことはよく分からないけど、演者選びとか秀逸なのは確実。
ミーハー

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