ノラネコの呑んで観るシネマ

DESTINY 鎌倉ものがたりのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

DESTINY 鎌倉ものがたり(2017年製作の映画)
4.2
"VFX"というより"特撮映画"と呼びたくなる、いい意味で適度に緩いレトロファンタジー。
現在設定なんだけど、昭和の旧車しか走っておらず、妖怪や幽霊が人間と共存してるもう一つの鎌倉が舞台。
新婚の作家夫妻を主人公に、前半は世界観を生かした"日常"の話。
後半はイザナミ・イザナギ神話よろしく、黄泉の国に行ってしまった妻を探して、夫の作家先生が冒険に旅立つ。
細かいエピソードの連続で前半を構築し、後半にドラマチックな大き目の話を持ってくる構成は、同じ原作者の「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズと共通。
個人的には、ラストアイテムの伏線不足も含め、もうちょい後半の比重が大きくても良かったと思うが、前半の緩い天開も悪くはない。
突出した傑作という訳じゃないが、特撮屋・山崎貴の特質が素直に生きるのはこういう世界だなあ。
安藤さくらのチャラい死神が白眉。
アイツとならなんか楽しそうだから、黄泉の国に行ってみたくなるもんw