Adele

劇場版 嘆きの王冠~ホロウ・クラウン~/リチャード二世のAdeleのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

恥ずかしながら、シェイクスピアの原作は未読です
きっと、一読すればもっと楽しめたんだと思います

約2時間半だし、セリフもさすがシェイクスピア原作だけあり、舞台がかった難解なものもたくさん出てきて、きちんと理解するのに追いつかず…な場面が多数…
しかしながら、全くついていけないわけではなく、最後まで鑑賞することができました
少し難解ですが、とても重厚感があり見応えありです

キャストも豪華
みなさん、ベン・ウィショー絶賛のようですが、個人的には、ロリー・キリアもよかったと思います
声も渋くて素敵だった
彼はローレンス・オリヴィエ賞も受賞していて、素晴らしい役者だと思うのに、過小評価されすぎだと思う
この007コンビが従兄弟なのに敵、味方なのは見応えがあった

ただ、なぜ急にリチャード2世が王位を譲ろうと思い立ったのか、その辺の心境をもう少し丁寧に描いて欲しかったな、と

原題は『Hollow Crown』
邦題は『嘆きの王冠』
本来、Hollow=虚無、うわべだけ、不誠実
という意味も持つ
今回も国外追放されていたヘンリーが追放期間6年も経たないうちに戻ってきて、王座に就く
まぁ、もとは没収された土地を取り戻すためだったとはいえ、王座まで…
ヘンリーの言い分もわかるが、追放が言い渡された時に6年未満で戻ってきたら、反逆罪ときちんと言い渡されている
しかし、約束を守らず、反乱を起こし、王座を奪う…
観ている側からもとても真っ当な権利で奪ったようには見えないんだよね…まさに不誠実…
まぁ、この時代はキレイごとは言ってられない時代で、奪略や裏切りなんて日常茶飯事だったんだろうけど

そのHollow Crown、まさに不誠実な王冠を掴んだヘンリー
しかしながら、自身も不誠実な方法で奪ったため、結局は自分も裏切りや反逆に悩まざるを得なくなる…まさにHollowの繰り返し…

ラスト、リチャード2世が弓矢のようなもので殺されるのだが、細く白い肌に刺さり、溢れ、流れ出す血…そして虚ろな目で倒れるリチャード2世
あの画は本当に美しく、芸術品のようだった

正直、とても面白い!というわけではないし、長くも感じた
しかしながら、見応えがあるし、なぜか続きが気になるため、ヘンリー4世も観てみたいと思います
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