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劇場版 嘆きの王冠~ホロウ・クラウン~/リチャード二世のTOTのレビュー・感想・評価

3.6
イギリスの名だたる俳優総出演の豪華絢爛シェイクスピア歴史絵巻のTVドラマを劇場版で。
今をときめく若手も大御所も、シェイクスピアの朗々とした長台詞、韻を操ることができて初めてイギリスの俳優たる証を得られるのか?と思うくらいの見事な演技合戦と、重厚なロケーション衣装が楽しめるシリーズの第1作目。
DVDとVODと何度目ましての鑑賞ながら、このシリーズが「リチャード二世」の気高く哀れで詩的な嘆きの物語から始まるのって大きいのな…ってスクリーンで見て実感しました。

現在アルメイダ劇場の芸術監督を務めるルパート・グールドの演出は様式美溢れ、聖セバスチャンのイメージ使用や、リチャードとボリングブロックとの関係、原作だとエクストンの役割をラストはオーマールに担わせるあたり、原作にはない同性愛的解釈を盛り込んでいるのは面白い。

何よりも、演劇学校卒業後にイギリス演劇史上最年少でハムレットを演じたベン・ウィショーの素晴らしい演技、台詞回し。
今作で英国アカデミー賞ドラマ部門主演男優賞にも輝いた彼の演技、ご興味ある方は是非劇場でご堪能ください。
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