ルイまる子

メアリーの総てのルイまる子のレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
3.6
自分が書いた小説を出版するのに自分の名前でなく夫の名前で出版される。作家にとって血と汗と涙で書き上げた小説が他の人の著作として世に出る。そんな悔しいことってあるだろうか。すべて夫シェリーの手柄となる。フランケンシュタインを創り出したがその孤独なモンスターとは彼女自身のことなんだな。
【この後ネタバレ】しかしシェリーが最後に恥ずかしながらと白状する。
   「自分の貢献は怪物の抱く絶望感を作者に植え付けただけ」
とはよく言った!そこだけ褒めてあげよう。
ところで、19世紀初頭だが、メアリーは小売商人の娘だから当時下層階級の中では一番上くらいかな、しかし本屋の使用人で、学校も行ってないがひたすら本を読み文才を培った。駆け落ち以降、夫(正式に結婚はしてないが)と別居の時代なんかも働いてない様子だったがかわいい服を着たりしてるのががちょっと変だな。女性が夜一人で歩いたりも多分無理だった筈だが堂々と歩いてる。こういう19世紀の作品だからこそ時代考証をきちんとしてほしかったな。そもそもストーリーよりそんな時代の服、小物、生活を見るのが目的なのでそこがちょっと残念。
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